どれだけ 夢 を語られたところで、あるいはどれだけ「 お役立ち 」を押し売りしようとしたところで、本当にそれを提供出来ないのであればただの 詐欺 だ。
だからと言って 夢 を語ることを否定している訳ではない。 夢 があるからこそ ゴール が生まれるのもだし、 ゴール が生まれるからこそ 達成 するための 手段 にも気付けるようになるからだ。
起業 というのは一つの手段。それは何のための手段かと言えば「 お金 を 稼ぐ 」こと以外の何ものでもない。
なぜお金を稼ぐことが必要になってくるのか?それは大抵の夢を現実化させるにはお金があれば何とかなるものだからだ。そしてどのような手段であってもお金を稼ぐことは出来る。その多い、少ないがあるだけだ。
故に自分が必要としている金額を認識することから全てが始まるのでFor Whomを明確化することからやればいいのだ。その上でのWhoであり、Whyとなる。そしてWhyで求められるもの。それはBefore & After。つまりは自分が命を賭してでも貢献したい人が苦しんでいる「痛み」を解消するか?その人を笑顔にするだけの「快」を提供するか?どちらにせよ変化を与えることに他ならない。Whoで自分が何者なのか?肩書が明確化していればいるほど、その変化も明確になってくるだろう。
従って次のレベルが「能力」。すなわち、Howだ。どのようにしてその変化を提供していくのかということだ。このように掘り下げていくことによって起業という手段を取るのであればいいのだが、場合によっては違うやり方で行う人もいる。
なぜなら人が行動を起こすには「痛みを避ける」か「快楽を求める」からであり、上記のフローでは「どうしてもやりたい」「自分の命を賭してでもやらなければならない」となるからこそ、起業することが「快楽」となって走り続けられるのだ。脳内では報酬の快感物質、ドーパミンが出まくっている状態だ。
それに対して、「もうこんな会社にいたくない」「もう誰かの下でこき使われるのはまっぴらだ」といわゆる脱サラをして起業しようという人もいる。そんな人たちにとっては「好きなことで起業すれば自分の好きなことだけで素晴らしい人生を送れる」という言葉は甘美だろう。
「もう嫌だ」という痛みを避ける原動力はノルアドレナリン。そしてノルアドレナリンは短期決戦の神経伝達物質なのだ。故に継続できない。 だからゼロからのビジネスモデル構築には絶対に向かないのだ。そんな人たちが「好きなことで起業しよう」としたところで、今後一生24時間365日をラーメンだけを食べ続けるというようなことが出来ないのはそもそもその覚悟がないためだ。
どうしても使われるのが嫌で独立・起業するのであれば、そんな人は自分でビジネスモデルを構築するよりはMLMや代理店、フランチャイズにしておく方が無難というものだろう。これらは全て準備されているものだからだ。裏を返せばこれらのビジネスで成果を納めることが出来ないような人は起業しても上手くいくはずがないのだ。
短期間だけなら偶然が重なって収入を得ることも出来るかもしれない。しかし、完全にシステム化されているようなビジネスでさえ回すことが出来ないような人が自分でゼロベースでビジネスを構築し、収益を得続けるなどということは本人の覚悟が不足しているので挫折することは目に見えている。だからこそ「好きなことで起業しませんか?」というコンサルタントはしっかりとセグメントをすべきだろう。その軸が定まってもいない人に囁きかけるのは詐欺以外の何ものでもない。それはコンサルタントの実力不足ではなく、そもそも対象外の人に無理強いしている「お役立ちの押し売り」に過ぎないのだ。
次回へ続く
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