間違っても「 好きなこと で 起業 」すべきではない。なぜなら幾つかの前提があるが
①「 好きなこと 」というのがまだ ゴール を達成出来ていない現時点での自分が 好きなこと に過ぎないため、 ゴール を達成しても 好き かどうかが分からないため。
②「 好き なことで 起業 」しようと思うのであれば24時間365日そのことだけに真剣に向かい合う必要がある。これは例えるならばラーメン 好き の人に今後毎食ラーメン以外は一切口にしないことを求めていることなのだ。だから 結果 として当初は「 好きなこと 」と思っていても嫌いになる可能性がある。
それでも自分の命を賭してでも役に立ちたいという誰かのために、あなた自身が「起業家」「個人事業主」という選択をするのであればビジネスとしてお金をもらえばいい。大切な誰かにとってあなたが「起業家」である必要がないのなら、例えば「家族」や「パートナー」であったなら、別にその人を幸せにするためにであればお金という便利な手段を稼ぐための方法は就業でも構わないだろう。ただし、その大切な人にとって自分は「個人事業主」でありたい、と決めるのであれば、その人の悩みと喜びを十分にヒアリングした上で価値を提供出来るようになれればいいことが分かるはずだ。
ここで重要になってくるのが「信念・価値観」。すなわちWhy(=なぜそれをやろうと思うのか?)なのだ。
ビジネスとしてその大切な人と関わることで、Before & Afterはどのようなものを提供していきたいのか?どのようになってくれればいいのか?なぜなのか?を追及していくといい。おそらくは最終的には自分自身の感情に気付くはずだ。その感情こそがぶれないゴールの正体なのだ。
人は痛みを避けて快楽を求める。究極の原理だが、これはノルアドレナリンという物質とドーパミンという物質が関わっている。「感情」とは脳内物質のバランスに過ぎないのだ。すなわち自分がどのような脳内物質のバランスに満たされていたいか?を認識するということだ。
誰のためにであれば自分の命を賭けられるか?そしてその人にとって自分はどのような存在になっていきたいのか?それが「個人事業主」ということであって初めて起業という選択肢が現実味を帯びてくる。その上でその大切な人の痛みと快楽を十分に認識し、痛みを取り除けるようになりたいのか?、それとも快楽を提供できるようになりたいのか?を掘り下げていくのだ。
すると自然にWhyは出てくる。自分が個人事業主として起業する理由だ。ここからが実は本当の個人事業主としてのスタートになるのだが、ここまでが重要。以降は決まりきったレールに乗っていくだけのようなものなのだ。ただしここをおざなりにして自らの売上だけを追求する詐欺師まがいのコンサルタントなどに関わってしまうと、おそらくは前提として「好きなことで起業しよう」になってしまい、基礎工事の全くない状態から大きなビジネスを構築しようとしているのだから大抵の人が崩れるのは当たり前。
成功事例というものがあるとすればそれはコンサルタントの力量ではなく、たまたま起業に関してそこまで徹底的に自分と向かい合っていた人を顧客に持てたというだけなのだ。実際に試算してみるといい。自分が思いきって脱サラをしよう、と起業した人が一年以内に挫折していなくなる確率、裏を返せば起業が成功する確率とそのコンサルタントのもとに訪れた顧客数と実際の成功事例の確率。おそらくはほぼほぼ等しいはずだ。ということはそのコンサルは実際には機能していないという証明でもあるのだ。
数字から目を反らすべきではない。本当にビジネスという選択をして個人事業主としてお役立ちをしようと思うのであれば偶然以上の確率に持っていけなければ役に立っていないという証明でもあるのだ。まずは自分自身がゴールを明確化しよう。
次回へ続く
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