目の前の相手を一先ず真剣に観察してみれば 売上 が上がる、という結論を前回の投稿では行った。これこそが具体的な行動なのだ。
そこには一切のマインドは関係ない。ひたすら見るだけだ。そして真剣に向かい合ってみることで気付くことがあるだろう。
それは「本音」と「嘘」なのだ。 ビジネス で 成功 して 売上 を効率的に上げていくには ニーズ のある見込み顧客にアプローチ出来ればよい。そしてその見込みの度合いは表情筋に表れるのだ。
これは一体どういうことか?
ポール・エクマンというアメリカの心理学者がいる。彼は人間が感じる感情の中には人類が生まれ持って共通する特有の表情があることを明らかにした心理学者なのだ。すなわち、後天的に表情を学習するのではなく、人間であれば誰でもその感情を感じた時に全く同じ表情筋の動かし方をして、同じ感情を感じるということを証明した人なのだ。
人類に共通する基本感情と名付けられた感情は現在7つと言われている。「喜び」「悲しみ」「怒り」「恐怖」「軽蔑」「嫌悪」「驚き」の7つだ。それぞれに特有の表情筋の動き方をする。従ってその7つの表情筋の特有の動き方を認識してしまえば、相手がその表情筋の動きをした時にどの感情を感じているのかが分かるのだ。だから相手をじっくりと見ることで売上が上げられるのだ。
なぜか?
人間は「嘘」をつくからだ。特に良好なコミュニケーションが取られ、人間関係が構築されると、見込み顧客側も断ることに対して「申し訳ないなぁ」という感情を感じることがある。しかし「不要だ」と明確に答えを言ってしまうと人間関係を壊すことにもなりかねないとなると、相手はこのように言うだろう。「検討します」と。。。
相手に嘘をつかせずに、「興味が無い」ことが分かったなら自分から話を突然止めてしまうこと。実はこれはかなり重要なことなのだ。なぜなら人間には一貫性の原則というものがあり、自分が主張したことと矛盾した行為を避けようとする。「認知的整合性」とも言われるものだが、「検討します」と「契約しない」という現実の選択をしてしまうと、実際には思考の部分では「商品やサービス自体は悪いとは思っていない」としても一貫性を取ろうとして思考を書き換えてしまうのだ。これを認知的不協和という。
故に認知的不協和を起こしてしまうと整合性を取ろうとして思考自体も「この商品が良くはない」と書き換わってしまうのだ。だから断らせてはならない。そのためには相手の本音を見抜けなければならない。これはサイエンスに基づく技術であってマインドではない。マインドセットではビジネスには全く影響を及ぼすことが出来ないというのはこのようなことの蓄積による結論なのだ。
次回へ続く
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